設立趣旨書

 エネルギー革命は、戦後復興以降特に日本の経済的な発展に大きく寄与し、私達の暮らす神奈川県下においても「豊かな繁栄」を享受することができました。
 一方では、従来の「里山の自然」の中で営まれた人々の生活様式は一変し経済発展に伴う大規模な開発により多くの里山が失われ、人との関わりの中で生きてきた多様な里山の生物も同じ運命を辿りました。

 成長し人生を振り返ったとき、子供のころに体験した「里山の自然とのふれあい」は人格形成に大きく影響を及ぼしていると強く感ずるものです。

 残された里山の環境を次世代へ継承していくことは、私達の努めであり、健全な社会の形成にとっても有意義なことであると確信します。

 平成14年2月以来、私達の身近な存在である県立四季の森公園で活動を続けてきましたが、この経験をふまえて「特定非営利活動法人四季の森里山研究会」を設立し、意欲ある者を募り非営利団体として、神奈川県下における里山環境の保護ひいては広く森林保護関連の支援活動を通じて社会に貢献しようとするものです。

 これらの活動目標は、森林保護に係る幅広い助言、援助を通じた健全なまちづくり、地球環境をも視野に入れた環境保全、次世代の人材を育てる環境教育の推進等を「地域から発信」するものであり、広く公益に寄与するものであります。

 願わくは、宮沢賢治の童話「虔十(けんじゅう)公園林」の中に書かれた「全く全くこの公園林の杉の黒い立派な緑、さわやかな匂(におい)、夏のすずしい陰(かげ)、月光色の芝生がこれから何千人の人たちに本当のさいわいが何だかを教えるか数えられませんでした。」の精神をささやかではありますが受け継ぎ、次世代に伝える活動にしたいものと考えます。

    平成16年12月12日

法人の名称 特定非営利活動法人四季の森里山研究会
設立代表者    北  村  多 津 一